温暖冬季少雨気候(サバナ気候~温暖湿潤気候移行部型)で育つさまざまな野菜や海に近いために多用される海産物を
中心として、燕の巣、ふかひれ、イヌ、蛇、果てはセンザンコウからゲンゴロウといった他では珍しいものまでが広東料理
の食材として市場で売られている。
また、ヨーロッパの進出や香港、マカオの存在により、西洋料理やインド料理、マレー料理などの技法が持ち込まれた。
これらの結果、「蛋撻 ダンターッ」と呼ばれるカスタードクリームのエッグタルトのような菓子や、パクチョイのクリーム煮、
「中式牛柳」(ジュンセッガウラウ)と呼ばれる中華風ビーフステーキ、ハトシなどの折衷料理が生まれた。また、
カレー粉、トマトケチャップ、沙爹醤(サテソース)といった各国の調味料も積極的に使用される。調理法においても、イセエビのチーズ焼きなど西洋料理のオーブンを使うものもある。
また、この逆にアメリカ中華料理であるチャプスイや、日本で普及した八宝菜及び中華丼は、広東料理をもとにアレンジされたものといわれる。歴史的に広東は外国との交流が深く、味もバランスの取れたものであるために世界中に広まって、現地でアレンジされたものと考えられる。他方、同じ沿岸部の料理である福建料理は、長崎ちゃんぽん、太平燕など、外国で現地化した料理もあるが、相対的に保守的なものとなっている。
朝食として粥や油條(揚げパン)を食べる習慣は中国各地にあり、広東省でも見られるが、広東料理では、他に、朝食、茶請け、間食としての点心(飲茶 ヤムチャ)が発達していることが特筆される。点心は、元々淮揚料理の茶請けや間食として発展してきたが、広州でも茶館が独自に工夫を加えて提供するようになると、朝食として食べられるようになった。